NOM FÉMININ ADORATION

adoration 仏語 女性名詞 熱愛

記憶

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f:id:ydov:20230514012339j:imageNikon Df : Voigtlander NOKTON 58mm F1.4 SL IIs

佐久市佐久平駅界隈

高校生の時、そうさな、40年くらい前じゃのう、家から学校まで自転車で通ってた。8kmくらいの道のり。鉄道路線もあるのだが、時間に縛られたくなくて。

家を出て、農村地帯に向けて突き進む。橋を渡り、小さな山の麓を回り込み、林を眺め、いくつかの集落を抜け昔の五街道の一つに出て、右も左も田んぼか畑って風景の中、ペダルを漕ぎ続け、まあ、そんな何にもないところの学校にたどり着く。畑ゾーンをぶらぶらしていたときには犬(野犬か?)に襲われかけたこともあった。

高校を出て10年くらい経ってから地元に戻ったが、学校付近の光景が激変していくのを目の当たりにしてアッと驚く為五郎(死語)、驚愕した。田んぼと畑しかなかった地帯がショッピングエリアと化し、新幹線が走り高架がかかった。今じゃこの辺りだけ人口が増えてるってイケてる街でもある。

日本中、どこへ行っても街道沿いに見られる光景だと思うので、同じような経験をされている方も多いのではなかろうか。

まあ、忘れられない景色ってのもあるもので、俺には畑の彼方から一直線に俺に向かって吠えまくりながら疾走してくる血相変えた犬、なんてのもその一つで(その後原因不明のまま追い回される)、目下の景色とは折り合わない記憶だが、俺にはこの景色の下に記憶の遺跡として眠っているもう一つの景色があるのであった。